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コミック 『彩雲国物語』 第3巻 感想
- 2008/05/28(水) 02:31:49
コミック 『彩雲国物語』 第3巻の感想です。
![]() | 彩雲国物語 第3巻 (あすかコミックスDX) (2008/05/26) 由羅 カイリ雪乃 紗衣 商品詳細を見る |
第3巻は『黄金の約束』編です。
いやあ、細かいサービスがいっぱいなんですね!朝議の面々が……景侍郎・鳳珠・黎深・欧陽玉・管飛翔(結構カッコ良かった!)・孫陵王・蔡礼部尚書まで!素敵過ぎました。
あと……黎深!気持ち悪すぎる笑顔です。あれは周りの官吏たちも引きますね(笑)
今回は燕青大特集でしたね。彼のキャラは見ていて飽きないです。
鳳珠の仮面姿はとても不気味ですが、絳攸が奇人さんを説明しているときの黎深とのツーショットはとても麗しかったです(後姿が素敵過ぎます)
書き下ろし番外編では、邵可と亡くなる寸前の薔君の二人の場面が印象的でした。薔薇姫が死にかけとはとても思えないほどの色っぽさ!一瞬二人がこれから……(以下自粛)とかいう艶っぽい場面だったとしても全く違和感なしですよ!
といいますか、邵可は結構色男じゃないですか!改めて見直してしまいましたよ、コミックで(笑)
っていうくらいですかね。次巻ではいよいよ鳳珠の御尊顔が拝見できるのでしょうか、大いに気になります。
そして、なんとか悠舜登場までコミック続いてほしいです!
メインキャラはいつも通りみんな素敵でした(はやっ)ということで、感想はここまでです。短いですが。
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- 本・雑誌
妄想呟きメモ(23)
- 2008/05/26(月) 03:21:04
いつも空いてばかりですみません。しかもこんな時刻……ジャジャーン感想も、コミック三巻(まだ買ってもいないです)、妄想テーマもいっぱい書くべきことがあるのですが、結構記事を書きだすと長くなってしまって数がこなせない状態です。今回はだらだら&まとまりなし(いつもですが、今回のはなおさら)なものを2本で。コメント返信をする時間が取れなくてすみません。いつも楽しく読ませていただいております!
5/26
・御史台と燕青
『白虹』で燕青が葵皇毅から「直属の部下になれ」と御史台にリクルートされた時はしっかり断っていたのに、秀麗の補佐として御史台に入る際はあっさり受けた燕青。皇毅は「王も必死だな」と言ってましたが、この命令(というか指示)を出したのは、御史台を管轄する尚書令=悠舜ってことですよね。
燕青は単純に秀麗につくからという理由ではなく、悠舜から御史台の内情を探ってくるよう言われている可能性は否定できません。
無論、皇毅は燕青の能力を高く買っていますから、別にみられたところで逆に取り込めば良いと考えていますし、多少内情を知られたところでうまくやれる自信があるからわざと余裕のあるところを見せているのでしょう。
燕青自身は一応官吏としての姫さんのためにっていう建前で御史台の官吏になって秀麗の補佐としていついていますが、まだまだ裏がありそうな予感です。一応、私の推測では、やはり『黎明』の最後にあった秀麗が葵皇毅(および貴族派)を捕縛することに関して、うまく秀麗を立ち回らせることじゃないかなと思っています。で、それは悠舜の思惑と一致するはずですから。
この場面も物語としてはさらりと流されがちな部分ですが、深読みすれば結構深くなるかもです。
・悠舜はファンタジー要員??
最新刊で彩八仙の特定に関して、碧仙が新たに登場しそうな気配を見せてきたことで、私が予想(期待)していた悠舜=仙人説が崩れ去ろうとしていますが、まだこの説を完全に捨てきれないでいます。と言いますのも、ある場面が非常にひっかかっていて、それがどうもファンタジー要素になっている気がしているからです。
さて、その場面とは、なのですが、『青嵐』で悠舜が執務室にいたときに「不意に茶碗がパキンと割れた」という部分です。その後、お酒を担いだ飛翔が尚書令室に入ってきて、悠舜が凛さんとのことを「一緒に死んでくれるそうですのでご心配なく」と盛大にのろけてくれる、あの場面の最初のところです。
この「茶碗が不意に割れた」のは、暗殺部隊の威嚇行動なのか、もしかして妖かなにかの仕業なのかがどうにもわかりかねた状態で今に至っています。
おそらくここは何かの伏線なかもしれませんが、今までのところまだ明らかにされていません。単純に暗殺がらみであれば、『青嵐』の悠舜暗殺未遂事件で解決済みというだけのことではあるのですが……。
ただ、どうも私にはそう読むにはちょっとつながりが薄い気がしました。もし暗殺がらみならば、暗殺者の気配だとかに悠舜が気付いているとか、茶碗が割れるために必要な物的証拠(例えば非常に細い吹き針とかで割れたとか)が出てきてもおかしくないんですが、それが全く描かれていません。ということは、何か超自然的な力が働いた……ってことになりますね。
さらに、悠舜はこの事態に別段動じることもなく普通に片付けてしまっていますが、それでも、これは「怪異」と一応書かれているんで、何か不思議な現象であるというわけですよね。また、「彼はため息をついた」とありますが、ここはどうも何かを悟っている(というか、こういうことが起こる原因を知っている?)からなのかと思われます。
『紅梅』から始まる悠舜の過去を探るヒントはいくつかあるわけですが、それらのほとんどは現実的な、といいますか政治的なものが多いです。表面的には、悠舜はおそらく王族の一員としての過去を持っているのはほぼ間違いなかろうというところまで来ました。ですが、ファンタジー要員かも?という点に関してはまだまだ情報不足です。この場面の解釈があってるかどうかはともかく、私が悠舜=仙人説をどうしても捨て切れない一つの証拠として挙げてみました。今のところ、私が知る限りではこれ一つきりなのですが、ファンタジー関連はまだまだ後付け可能な部分になりますから、楽しみな部分です。
無論、碧歌梨=碧仙になるっていうのも悪くはないですが、ちょっと単純に過ぎるのではないかと思っています。というのも、今まで紫霄・黄葉・白夜の三人は彩七家直系の人間とは全く関連のない人物だからです。(前にも書きましたが、私は、碧家の話に関しては仙人ということよりも、むしろ蒼玄王との約定と密接に絡んでいるような気がしています)この辺の詳しくはいずれまた彩八仙考察(その2)くらいで書きたいです。
今までコメントで悠舜と仙人説に関していくつか質問をいただいた答えになっているかはわかりませんが、とりあえず、現在の私の見解です。また何かありましたらご意見いただけますと幸いです。
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- 日記
妄想呟きメモ(22)
- 2008/05/20(火) 01:05:47
少し間が空きまして、すみません。しばらくはこんな感じになりそうです。
5/20
・旺季と三人の後継者たち(皇毅・晏樹・悠舜)の過去(その2)
今回は旺季について。
『白虹』で晏樹が「旺季さまの血は面白い」とかなんとかいうコメントをしていましたが、旺季の設定には、まだ本編ではでてきていない事実があります。ザ・ビーンズVol.9所収の番外編「鈴蘭の咲く頃に」で描かれていることなのですが、旺季は前のセンカ王と親せきにあたり、かつ、初代黒狼である鬼姫(きひめ)は彼のお姉さんにあたります。っていうことで、かなり旺季は王族に近い血筋である、といいますか、センカ王の母君の実家なのかもしれません。詳しくは次巻以降のお楽しみではありますが……。
さて、旺季に関して今まででわかっている事実を列挙しておきます。
1.「鈴蘭」でセンカ王と面差しが似ていると書かれる。
2.紫門四家筆頭出身で、年齢は60歳前。
3.若いころは監察御史だった。
4.藍州で人柱を立てる代わりに饅頭を流した(孔明!)。
5.「鈴蘭〜」時点(清苑公子失脚時)では、旺季は御史大夫だった。
6.司馬迅が父親殺しで捕まった時も御史大夫だった。
7.「司馬迅からの報告」を受けているというところで、迅の雇い主(の一人?)だと判明済。
8.センカ王から、お前が玉座をねらえ!と言われたことがある(『黎明』)
9. 孫綾王とは若いころからの友人(おそらく兵部侍郎暗殺にかかわっている)
10.『黎明』人物紹介イラストを見るに、真上の悠舜のイラストとなぜか近い雰囲気(!)
1-9は今までの記述の羅列ですが、10はふと見てた時にこちらが勝手に思ったことです。ここのポイントは、もしイラストの設定が小説設定とイコールであるならば、センカ王≒旺季≒悠舜という図式が成り立つことです。旺季と悠舜を見ていると、顔の骨格、髪の毛の雰囲気、(特に前髪)、色、かなり似てますね。やはり二人は関係あるのでしょうかね。
それにしても、由羅先生は既に旺季と悠舜の容姿に関する設定を御存じなのでしょうか。ここは完全に由羅先生の創作とは思いにくいですが、雪乃先生はそのあたりに関してはどうも由羅先生にお任せしているようですので(雑誌インタビューより)、ここに関しては私の妄想ということで、スルーしてください。
さて、旺季が玉座を狙う理由が今一つ掴めません。と言いますのも、彼ならもっと早くに劉輝が今よりももっと不甲斐なかったころに王位をねらえるチャンスがあったはずだからです。おそらく、まだ朝廷三師がそろっていたということと、彼の求める人材がうまく揃わなかったということがあるのでしょうが……。
明らかに、旺季はメンバーがそろうのを待っていた、それも悠舜が帰ってくるのを待っていた節があります。「あの三人が大官となってそろう日が……」という記述が『白虹』にありましたが、この三人をそろえることで旺季は一体どのように国を動かしたいというのでしょうか。彼の求める国というのは一体何なのでしょう。
ここでのキーワードは、「誰かが切り捨てられることのない国」という言葉。もともと『藍青』で悠舜が言っていた言葉ですが、『黎明』で孫綾王が「旺季に王の夢を見る」と言っていた時にも出てきていました。
だれか=貴族派?なのでしょうか。これがわかりにくいポイントです。『紅梅』で旺季は「身分制をわからせなくば、民を従えられませんゆえ」と言ってましたから、完全平等な国にするつもりはないようですし、それでも、藍州の饅頭の件や、晏樹や皇毅の旺季への尊敬ぶりを見るにつけ、ただの悪役には思えません。
で、旺季自身は本当に王になりたいのだろうか?とだんだん思えてきました。万が一彼が王になったところで、彼はすでに年老いており、次に跡目を譲らねばならないのは明白ですから。となると、誰かを王として担ぎあげる必要が出てきていますよね。旺季は自分の子や孫に譲るつもりはないように(今のところ)見えますから、じゃあ誰を?っていうことですが、ここで、蒼玄王の血をついでいる人物で、清苑公子でも、縹家の人間でもない、無論百合ではない……となると、やはり悠舜か?ということになってしまいますね。
大昔に悠舜考察(3−2)で書いていたように、悠舜の庇護者は旺季なのかもしれません。彼が何らかの理由で一人になった悠舜を拾い、「鄭」という姓を与えて陰ながら援助した……とかなんとか。さてさて、旺季のことから話がずれそうですので、この辺にしておきます。いい加減、悠舜過去考察に関して改めて考察する時が来たのかもしれません。
結局、旺季は単なる三下悪役ではなく、蓬子さまのおっしゃるように、茶太保のような人物なのかもしれません。国のことを思う気持ちは非常に強いという。ただ、晏樹のいう「最後の貴族」という言葉が大きな意味を持ちそうです。旺季は果たして時代の変化に対応しているのだろうか?と思ったりします。いずれにせよ、もう少し読み込んで、改めて考察したいと思います。
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- 日記
妄想呟きメモ(21)
- 2008/05/12(月) 02:11:49
はやくも40000ヒットにおののいている管理人です。新刊効果か、ものすごいヒットを記録した日が数日続いていたようですね。コメントいただいている皆様、ありがとうございます。拍手コメの方は拍手御礼かPiyoに書いていることもありますので、そちらをご覧ください。ただ、管理人は現在超多忙につき、すぐの返信が難しいです。気がついたときにお返事させていただきますが、どうか気長に待っててくださいね。
5/12
・旺季と三人の後継者たち(皇毅・晏樹・悠舜)の過去(その1)
前々からちょっと考え始めていたことなのですが、次巻にほぼ間違いなく出てくるであろう悠舜話と貴族派クーデター(?)の件に関して、知っておくべきなのが貴族派の中心、旺季と彼曰く三人の後継者たち、つまり皇毅・晏樹・悠舜の過去。旺季と皇毅はある程度わかっていますが、晏樹と悠舜がまだですよね。で、いくつか妄想してみましたので、書いてみようかなと。
その前に、この件に関して蓬子さまからアイデアをいただきましたので引用します。
「前から感じていたのですが、悠舜、アン樹、皇毅の三人は官吏になる前、
つまり少年時代からの知り合いではないでしょうか。
もしかしたら彼らはそれぞれに家族を失い、
孤児となっていたところを 旺季に拾われたのではないか。そんな気がするのです。
旺季という人も私にはそんなに悪い人には思えないのです。
むしろ茶大保に近いのではないかという気がします。
逆賊に見えて実は真の忠臣だったという・・・
孫も迅も悠舜たちも、そんな彼の心を知っているからこそ
彼と運命を共にしようとしているのではないかと・・・」
実は私のイメージもかなり近いんです。間違いなく、彼ら三人は少年時代からの知り合いだと思います。
旺季に拾われた……かどうかはさすがに確信が持てませんが、関わりがあるのもそうじゃないかと思います。
ただ、私の中では、彼ら三人は、かつての秀麗みたいに「侍童」として朝廷に上がっていたのではないかと思っています。というのも、『白虹』で晏樹が黎深に「君が朝廷に入るずっと前からせっせと仕えていたからね」と言っていたからです。
清雅も14歳で入朝していますし、幼いころから朝廷に入って……というのは大いに考えられます。それに、悠舜の過去を抹消する操作ができるのはやはり朝廷の中しか考えられませんからね。
さらに、もしかして悠舜の足の怪我って、晏樹と関連しているのでは?ってひそかに思っています。そのせいかどうかは知りませんが、どうも悠舜は皇毅よりも晏樹を苦手にしているような気がしています。『緑風』で悪夢三人組vs晏樹・皇毅の場面がありましたよね。あの場面で悠舜の顔がちょっと険しくなりましたが、あれは皇毅に対しても無論あるのでしょうが、晏樹のほうかな……と(私には)読めたもので。もしくは、悠舜が国試に及第して入朝してからの職場で一緒だった(悠舜考察(3−2)参照してください)ってことかなと。
また、皇毅とは普通に仕事の話に呼び出したりと、それなりにかかわっているようですが、晏樹と悠舜は今のところ二人が一緒に仕事をしている場面がないんですよね。晏樹は黎深や劉輝に色々悠舜のことをほのめかしていますが、直接悠舜に何か話をしているのは『緑風』以外の場面ではないわけですし。あと、黎深が悠舜に出自を問いただした際晏樹のことを口にしましたが、その時の悠舜の反応がいかにも晏樹をあまり好きでなさそうに見えました。実際はどうなのかわかりませんが……。
さて、いよいよ過去分析ですが、晏樹は自分は養子であると本人が『白虹』で言っていたところ、および色々手づかみでものを食べるのを好む、といったあたりから察するに、彼は庶民出身の可能性が高いですね。それを旺季に拾われ、誅滅された貴族の凌家の養子になったのかな〜とか思ってるんですが、ここはもう少し検討が必要ですね。
悠舜の方は今までに何度も過去考察をしているんですが、やはり悠舜考察(3−2)に書いたように、どうも彼の姓である「鄭」という名は本名じゃない気が改めてしています。どうやってこの名を得たのでしょうか。この謎を解くにはもう少しいろんな側面から考察する必要がありそうです。
まだまだ考え中の件につき、散文的ですみません(いつものことですが)。旺季のことも書きたかったのですが、今夜は時間切れですのでこの辺で。しばらく先になりますが、のんびりお待ちください。
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妄想呟きメモ(20)
- 2008/05/09(金) 22:20:17
5/9
・前に書きそびれてました
感想(その5)で、悠舜黒幕フェイク説のキーワードとして、これだけは入れないと!と思いながら忘れていました。
「敵をだますにはまず味方から」 by秀麗@『漆黒』
よく考えれば、悠舜の最初の登場自体、由准という茶州官として秀麗たちの前に現われていたんでしたよね。茶州時代、人を騙すのはよくあったのでは?ってふと思いまして。ということは、こんなフェイクなど、彼にとってはお茶の子さいさいですよね!ってことで。それを燕青は別に違和感なく普通に思っていたんだな、と思うと、結構二人とも食えないですねえ。
……ということで、読者もみんな騙されておきましょう。その方が読む楽しみが増えるかなーと。というか暴くと恐ろしいものがいっぱい出てきそうです。今茶州編読むと結構悠舜の原点が見えてきますね。
今日は短いですが、この辺で。
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御礼&妄想呟きメモ(19)
- 2008/05/06(火) 22:13:06
新刊の感想に多数の拍手・コメントをいただきまして本当にありがとうございました。
特に悠舜に関する感想兼考察記事は、私の妄想の産物でありながらも過去最高数の拍手をいただき、本当に恐縮しております。外れてばかりかもしれませんので、適当に楽しんでいただけますと幸いです。
さて、皆様からのコメント・拍手コメントを読ませていただいているうちに、新たに妄想のネタがいくつか出てきました。詳しく描く暇はないので、そのうちの一つだけ簡単に書いておきます。やはり悠舜ネタです。
5/6
・悠舜の黎深に対する意図?
感想(その5)で詳しく触れなかったことですが、もしかして悠舜は黎深に紅州に帰ってもらいたかったのでは?という気がしています。特に、不倫現場で悠舜が言った「ありがとう」には、いろんな意味が込められていたという記述がありましたよね。あれって、そういうことかな、と。
黎深も「あとはお前たちに任せる」って言ってましたから、起こりうる事態をわかっていたってことですよね。
そして、『白虹』で悠舜が黎深に言っていた「あなたは紅家当主ですし、いざとなれば紅家をとっても仕方ありません」とかいう言葉が改めて意味をもってきています。これって、実は仕方ないといいつつ、むしろ紅家を選んで!あるいは紅家を何とかして!っていう悠舜の隠れた意図が含まれていたのでは?って思えるようになってきました。単なる深読みにすぎませんけれど……。
でも、それなら、黎深が紅州に急いで帰ってやるべきことはおのずとはっきりしてきますよね。
まず、私の中で、黎深のとる動きとしては二つの可能性があります。つまり、
1)紅家当主として一族をまとめる
2)紅家解体へ向けて動き始める
1)・2)いずれの動きにせよ、黎深は紅家と彩八仙の約束について何らかの行動をとるはずです。おそらく紅家当主にしかできない神事があると思われますので。
更に、邵可が藍家当主たちに頼んだのも、実は同じことなのかも……?と思ってますが、それは横に置いておきます。
悠舜の究極の意図は縹家・王家・彩七家の600年前の約束に関する件とつながっている気がします。一応彩雲国は妖が出る国で、貴陽では異能も使えないけれども妖も出ないという設定ですよね。その機能をいったん壊すんじゃないかと。そのためには彩七家当主たちによる動きが必要……と。黎深が朝廷にとどまっていたのではそれができないので、その意味も込めて悠舜はお礼を言ったのかもしれません。「(紅家当主として動いてくれて)ありがとう」と。
……などと考えてみると、結構前から伏線張られていたのですね。ここは、以前『白虹』を読んでいた際「?」と思っていた部分だったのですが、今は納得です。なんでもなさげに見える台詞ですが、「神は細部に宿る」とも言いますし、読み方次第で面白くなりますね。
というわけで今日はこの辺で。
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彩雲国物語 『黎明に琥珀はきらめく』 感想 (その5)
- 2008/05/03(土) 01:58:49
彩雲国物語第16巻 『黎明に琥珀はきらめく』 (朝廷・御史台および紅家編)の感想(その5)です。いよいよ悠舜について。ちょっと思うところが色々ありまして、考察・妄想込みです。長いと思いますが、どうかご容赦を。
・お姫様な尚書令&もしかしてラスボス?:鄭悠舜
じわじわと存在感を増している宰相・悠舜。彼は本当にお姫様扱いされてますよね。特に劉輝と黎深に。なぜか二人ともに頬を触れられたり、ジーっと見つめられたり。一体どうなっているんですか、この国は。秀麗はじめ女性キャラは不要なのか?というくらい、一番モテてるのは実は悠舜だったということがよくわかりました。
さて、そんなかわいい話は置いておきまして、いよいよ本題です。
実は『白虹』の感想(リンク)で既に書いていたこと「悠舜がラスボスだったら超神展開!」がまさかまさかで、本当になりそうな気配を見せております。私個人は悠舜がラスボスだと物語的に面白いとは思いますが、これはあくまでもフェイク(振り)ではないかと推察しております。いくつかその根拠を挙げてみたいなと。
前提として、悠舜自身や晏樹も言っているように、宰相という役職は優しいだけじゃなれないものだと私は思っています。霄太師がいい例かと。策士・タヌキな部分、つまり老獪さがないと無理です。なので、多少のブラックさは当然のこととして考慮に入れる必要があると思います。ただ、穏やかな笑みに皆騙されていただけです。ただ優しいだけじゃない、政事には非常に厳しいと何度も言われていましたからね。茶州官の皆様、燕青、および柴凛はそのことをちゃんとわかってます。(『白銀』の場面を思い出してください)
今までの私の考察で、『白虹』感想以外にも、妄想メモ(12)「秀麗の(真の)雇い主は?(その2)」でも、悠舜の計算高さについては触れており、そこでも黒幕&ラスボス説にちらりと申し上げていたように、いきなり悠舜=黒幕説が出てきたわけではありません。むしろ言われるのが遅すぎたくらいなのかもしれませんね。
普通に考えて、悠舜の過去に関しては、これらの(ブラック)要素を人生経験としてはぐくまれてしまうほどに壮絶だったと推察されます。黎深や鳳珠や楸瑛のようなお坊ちゃまたちと一緒にしてはいけません。『白百合』の感想でも書きましたが、おそらく悠舜は彼ら以上に世間を知っているはずです。そう、静蘭くらい(もしくはそれ以上?)には。さらに、茶州での経験が少しずつ彼の能力に磨きをかけたのでは?と考えております。
出自関連についてですが、絳攸精神崩壊暗示に関して悠舜が過去の事例を知っていたことに関して、静蘭が「彩八家の中枢にいないとわからない」のにと不審に思っている点、および百合と同い年?という点から見ても、悠舜=王族説がかなり有力になってきています。ちなみに、「彩七家」ではなく「彩八家」と書かれているのがポイントです。王家含まれてますよ〜!ってことで。
第2に、黎深が知ってしまうと悠舜に顔向けできなくなる(by 晏樹)という出自、となると、黎深の嫌いな王家の人でないとつじつまが合わないです。さすがにここまで引っ張られた以上、私的には王家以外の出自は考えにくいです。おそらくは、ですが悠舜は静蘭と同じような立場、つまり公子であった可能性がゼロではありません。このあたりは暗黒の大業年間考察(その2)をご覧ください。
*万が一違うとすれば、それを読者に納得させるには相当の力量が求められます。(それならそれで読む楽しみが増えますんでいいんですけれどね)
では、なぜ悠舜が「わざと」黒幕の振りをしているように見せているのか(もしくは描かれているのか)について考察してみたいと思います。
まず、この物語での「ラスボス」の定義を私なりにつけておきますと、劉輝の王位を脅かすことができる存在=王位簒奪者になれる=王位継承者としての資格を持つものである必要があるってことと、もう一点。それまで、そういったことを気取らせなかった人物かなあと思います。もし上記の悠舜の出自が本当であるならば、まさに悠舜はミステリーの常道である温厚そうな人が実は……っていうレベルのラスボスにふさわしい登場人物になりえてしまいます。
で、これをこのままやってしまうとあまりに見え見えでつまらないのではないかと。同時に、これまでの巻で描かれてきた悠舜像とあまりにかけ離れている&矛盾を大幅にきたしてしまうことになりかねません。その理由を箇条書きで述べると、
1)悠舜はおそらく王族関係者(劉輝の味方になりこそすれ、敵になるのはおかしい→『紅梅』の記述より)
2)愛妻の柴凛さんを泣かせたりしないはず(→さらに凛さんの人を見る目が間違っていたということになってしまう。彼女は元商人なので、それだと有能フラグに矛盾が生じる)
3)悪夢組(鳳珠・飛翔)との友情も裏切ってほしくない(→これも鳳珠・飛翔の人を見る目が以下略)
4)黎深との会話の内容からお互いに目的をわかっている(→黎深はやっぱり悠舜が好きみたいだし)
5)もし王を裏切った場合、『紅梅』に記載のあった「名宰相の最初の一人」という記述と矛盾してしまう(→そして、もし悠舜がその後奸臣として裏切った場合、史書に名宰相などという記述が残るはずがない)
6)茶州で十年も燕青の信頼を得たままでいられるはずがない(→燕青も人の本質を見抜くのに長けているのでこの能力まで疑うことに)
かなり私情入りまくりですが、およそこんなところです。
で、結局のところ私が思う悠舜ブラック説の本当の意図は、悠舜がブラックの振りをして貴族派を油断させ、最終的に秀麗の告発を待って彼らを追い詰める役割を果たしているのではないかということです。その真の目的はやはり悠舜考察(4−2)の後半通りかと思ってきました。つまり、王家・縹家・彩七家の再構築を官吏主導で行い、官吏の登用は家柄ではなく国試などの実力制一本に固め、それによる王主体の中央集権制度を確立させるということにありそうです。
以前この記事を書いた際には話が大きすぎるのではないかと思っていましたが、やはり作者様はこのレベルでものを見てるようですね。そういう意味ではさすが宰相悠舜。何度もいいますが碁がめちゃくちゃ強いだけのことはあります。目先のことにとらわれず、100年先を読んでことを進めているように見えます。
そして、一人その重要性に気付いている悠舜が、現在その仕事の全権を負っている……と。とても孤独で大変な作業ですね。確かに大きい、いやむしろ大きすぎる大事業です。うーさまにかつて全部悠舜がする必要はないと言われてましたが、悠舜は王がこの件に手をつけるにはまだ年が若すぎるとか何とかそういう理由で自分が命を賭けて引き受けているんじゃないかと思われます。
で、その過程のためには、今の朝廷の状態をいったん壊さねばなりません。わかりやすく言うと、彩七家と縹家の影響力を朝廷から全部排除する必要があるのです。そして、それが今の貴族派の思惑と一致しますから、傍目には悠舜が貴族派と同じことをしているように見える……のではないでしょうか。ただし、皇毅たち貴族派の思惑と悠舜のそれは明らかに違うはずです。
貴族派は彩七家の影響力を廃した後、自分たちがその後釜に座って影響力を行使したいわけですが、悠舜は、そうした家の背景をまったく考慮しなくて済む完全実力制の朝廷を目指しているのだと思われます。
そして、それを行う前に万が一王に信頼されない場合は、死を賭してでも彼の信念を貫くのではないかと。最悪の場合、王側に誤解された揚句死罪になることが大いにあり得るかもしれません。諫言をして左遷とか、死罪を賜るっていう話は史実においては枚挙に暇なしですからね。さすがに劉輝がそんなことはしないだろうと思いますが、「泣いて馬謖を斬る」ということもなくはないので、いささか不安ではあります。
ただ、気がかりなのは、黎深との不倫現場で見ていた人事録。いよいよ悠舜が次の吏部尚書&吏部侍郎を決める時がやってきていることが示唆されてますね。その時に一体誰を悠舜は推挙するのか。私はここをあえて旺季の推薦する人物にするような気がしているんですが、(無論あとで追い落とすために)さてさてどうなんでしょうね。
いずれにせよ、悠舜がわざと誤解させているのは旺季側に寝返ったふりをして、死なばもろとも作戦に出るってことかなと。もう二度と貴族派が立ち直れなくなるように。そうなりますと、茶太保系の終わり方もあり?ってことになりそうですね。悪い人の振りしてやっぱりいい人っていう。さらに、感想(その2)で書いたように、劉輝に臣下をあまり信用しすぎないようにということを身を呈して教えるのかも。
ただ、絳攸が官位降格になったばかりで次世代の官吏がまだ育っていないですし、新婚の奥さんまで巻き添えにするのもどうかと思いますし、もうしばらく悠舜は生きているかなーというのが私の淡い推測&希望です。
話は変わりますが、ふと思ったことですが、もしかして縹家とつるんでるのは悠舜……?という疑惑がふつふつと。つまり、自分の命と引き換えに、悠舜が縹家に頼んで色々わざと仕掛けて貴族派をあぶりだしてるのでは?っていうことです。もちろん、王のために、です。悠舜が貴陽に来てから立て続けに起こった事件は、無論貴族派の画策なのは間違いないところですが、縹家関連は今回の旺季の言葉を読むにどうも関係なさそうですし、そうなると、頼めるのは実は悠舜しかいないのではないかという。
私は以前から悠舜の足の怪我は実は縹家の呪い……という説をずっと取っておりまして、今回の件ともしかしてリンクするかもと思えてきたのです。(もちろん妄想にすぎませんので気に入らない方はスルーしてくださいね)。
いずれにせよ、悠舜の全貌を知るには国試前編(足が傷つけられた事件を中心として)・進士時代編・朝廷下っ端官吏編・そして茶州編(初期)を描くことが必須になりますね。となると、おそらく次巻にやってくる紅家編(2)は、悠舜編にもなるかもしれません。一巻の半分、もしくは丸々一冊来るかな?とつい期待してしまいます。
そして、今回登場しなかった柴凛さんとの場面はぜひほしいですね(できたら黎深・百合に負けないイチャイチャイラストもつけてもらえれば最高です)。やはり彼には愛妻がいるわけですから(しかもまだ新婚!)、そのあたりの関係もきっちり描いていただきたいものです。そうしないとわけがわからないうちに悠舜の後を追って凛さんが死んでしまうことになりかねませんので。(『青嵐』参照してください)あと、燕青と悠舜の組み合わせを再び見たいです。やはり、この二人の信頼関係も大きなポイントになりそうですから。
次巻の展望としては、私個人は紅家編を中心として、彩七家(特に紅・藍・茶以外の家)、悠舜・王位継承争い編ということなのかと推測しています。いずれにせよさすがに次の巻では悠舜の過去話が描かれるでしょうし、彼の進退が決まりそうですね。それと同時に彩八仙の話および彩七家と蒼家(紫家)・縹家のそれぞれの約束に関する話も佳境に入りそうな予感……!
ということで、非常に長々と一人語り続けましたが、この辺で感想は終わりたいと思います。次巻もまた楽しみです。次はいつくらいなのでしょうかね。9月くらい希望ということで。お付き合いくださりありがとうございました。
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彩雲国物語 『黎明に琥珀はきらめく』 感想 (その4)
- 2008/05/02(金) 12:25:16
彩雲国物語第16巻 『黎明に琥珀はきらめく』 (朝廷・御史台および紅家編)の感想(その4)です。ここでは百合・黎深を詳しく。
・噂の吏部尚書の奥方、ついに朝廷に現る!:紅百合
百合さんが貴陽に帰ってきました!そして朝廷に初見参!劉輝や楸瑛の興奮ぶりが面白い。それにしても百合さんはいいお母さんですよね。しっかり絳攸を育ててきたのだなということがよくわかりました。名付けに関してはかなり軽い!面白すぎですが、それでも大事なことはちゃんと言っていて。黎深の隠れた愛情をきちんと絳攸に伝えていたんですね。鳳珠には悪いけれど、やはり黎深の気持ちを量ってあげられるのは百合さんしかいないなあと思ってしまいましたよ。
そして「琵琶」の意味が出てきましたね。紅家の琵琶は神事に使われるとのこと。そういえば、紅家と彩八仙との約束は一体何なのでしょう。
物語終盤での黎深とのイチャツキっぷり。結婚して14・5年ほどになるのにまだまだ新婚モードですね。ただ、この二人はどうも黎深の台詞から察するに一年に10日も会ってるんだろうかという気がしてきましてそれなら無理ないかなーと。あと、絳攸親離れってことなんで、両親たちがしみじみしちゃうのもなんだか納得です。
さて、百合さんの年齢設定が「三十代半ば」で確定しました。(年表参照してください) 私の読み通り、悠舜と同じ年の可能性が高まってきましたね。ここから得られる推察については「暗黒の大業年間考察(その2)」に書きましたので、よろしければご覧ください。おそらく悠舜の出自および王家の過去話と関連ありか?という気がします。百合は貴陽に残るそうですので、ますます王位継承に関する話と絡んできたわけですし。次の巻以降での答え合わせが楽しみです。
・不器用な父親&そろそろ変化の季節?:紅黎深
黎深の不器用ぶりが非常によくわかる本篇でした。で、やっぱり辞めちゃいましたね。「紅黎深考察(その3)」で私が予想した「辞める選択肢」ほぼそのままになってしまったのがうれしいやら悲しいやらです。厳しい方向にもっていきますねえ、作者様は。でも、その辞める理由が「絳攸のため」だったところが黎深らしいです。友人より息子をとったんですね!父親としてはなんと不器用な愛情でしょう。
楊修との上司・部下関係もかなりおもしろかったです。お互いに好きなものをちゃんと把握しているあたり、さすが黎深、という気がしないでもないです。黎深も少しずつ変わっていってたのですねえ。
思ったより早く悠舜と再会していたので少しホッとしました。あれは完全に不倫現場@吏部資料室ですね。怪しいことこの上ないです。よろめいた悠舜を助けたり、何も言わなくても悠舜が必要な書類を全部取って卓子に置いてやったり、肩をもんでやったり、頬に触れたり、じーっと見つめたりとか。こちらが赤面しそうでしたよ。互いの考えは口にしなくてもわかるって……夫婦以上じゃないか!!心配して損しました。いずれにせよ、なんだかんだ言っても黎深は悠舜大好きで、願わくば絳攸ともども悠舜を助けたかったのだろうと思います。ただし、政事から引き離す方向で。その方向性が一致すれば最強のタッグだったろうにと思うととても残念。
そして、黎深はやはりお坊ちゃまで純粋だったんだなーと改めて思いました。まさか悠舜の出自をストレートに本人に尋ねるとは思いもよらず。まあ、黎深らしいといえばらしいですが……。無論、あっさり悠舜にかわされて聞けずじまいでしたが。それでも、読者が知りたい問題(特に悠舜の出自と紅家がらみのこと)を黎深にズバリ言わせ、あらかじめ悠舜から答えを得ておくというやり方はうまく読者心理を突いていて、さすがです。作者様の巧みな筆運びに感心いたしました。
ただ、ここで気になったのは、さしもの黎深も悠舜の表情から嘘・本当が見抜けないっていう点です。天つ才を持つものでも、(好きな)人の心は測れないってことなんですかね。そのあたりもまことに人間らしくていいなあと思います。
黎深の百合への甘えっぷりが何ともかわいらしいです。そして、絳攸を拾った真の理由も。実は絳攸と黎深は似ていたんですね。さすがにアニメの理由ではちょっと……というのはなきにしもあらずでしたし。
それにしても黎深はだんだん変化してきていますよね。人の心も多少わかるようになってきましたし、ちゃんと「やること&調べもの」をするために紅州に帰還するそうですから。これを機に黎深もちょっとは大人になってほしいです。結局彼も大人の振りをしてまだまだ子供だったわけですからね。悠舜との不倫現場の場面を見てそう感じました。(悠舜の経験値が高すぎとも)
「調べたいこと」は無論悠舜出自関連でしょうが、「やらねばならないこと」とは一体何なのか気になります。紅一族をまとめ上げることなのか、紅家当主としての責務をいよいよ果たすのか、彩八仙と紅家との約束関連なのか、わざと朝廷から紅一族を引き揚げさせる(秀麗・邵可も含め?)のか。何せ、秀麗の後見人は黎深でしたので、その黎深不在では秀麗の立場も若干危ういものになってきているわけですよね。この中のどれか一つ、もしくは思いもよらぬ方向でのことなのか、またじっくり考察すべきネタができたと思います。
人によっては黎深はしばらく本編に出てこないかも?という方もいらっしゃるようですが、私はむしろ次の巻も普通に出てくるのではないかと思ってます。本編で絳攸と再会していませんでしたしね。次巻では内乱の予感(!?)がありますから、急ぐ必要があるのではないかと。私は貴陽と紅州の二元中継方式を希望しているんですが、さてさて?
そういえば、秀麗に対しては相変わらずでしたね。でももう仕事をしない吏部尚書として一番ダメな面がバレてしまっているわけですから、これ以上下がることもないし。秀麗自身は黎深に嫌われてると思いこんでますから、黎深はさほど心配せずに秀麗に会えばいいと思いますが。いつになる事やら?です。
悠舜のことを書くスペースがなくなってしまいましたので(その4)はこの辺で。(その5)ではいよいよ悠舜について書こうかと思います。簡潔にまとめられなくて申し訳ないです。もう少しお付き合いください。
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彩雲国物語 『黎明に琥珀はきらめく』 感想 (その3)
- 2008/05/01(木) 00:12:01
彩雲国物語 第16巻 『黎明に琥珀はきらめく』 (朝廷・御史台および紅家編)の感想(その3)です。今度は年上組(とリオウ)について。
・アニメと大違い!の超美形&有能官吏:楊修
この作品で絳攸を超える存在感を出していた、といえば楊修。アニメで見ていたダサいクマ男……(げふんげふん)の本性は、由羅先生のイラストに見られるような眼鏡をかけた怜悧でデキル男でした。彼は貴族出身とのことですから私のかつての妄想である国試派……というのは残念ながら違うようですが、それでも彼は自分のやるべき仕事をきちんとわかっている有能な人物だということは変わりませんでした。むしろ黎深のことをあれほど知り尽くしているのは同じ官吏でも悪夢組以外では彼くらいなものでしょう。そして絳攸のことを官吏として鍛え上げたのも楊修だったんですね。彼の官吏としての態度は極めて立派だと思います。黎深とのやり取りはまさに管尚書と欧陽侍郎の関係に近いですね!ケンカはするけど仕事てきぱきっていうコンビ。
そうそう、楊修と玉が友人同士だったとは驚きでした。楊修の髪形は玉さん仕込みだったらしい。また出てくるときは新しい髪型で登場してほしいです。残念ながら私の同期考察は見事に外れてしまいましたが、それでもこの二人が景柚梨さんのことを尊敬しているっていう関係は結構嬉しかったり。やっぱりつるんでいるんでしょうか。あとは茗才さんが出てくるかですよね!
楊修は結局絳攸の後任として吏部侍郎になるのか、それとも黎深の後釜として吏部尚書になるのか、これからも出てきそうな予感がありますので大いに楽しみです。
・彩雲国朝廷でのファッションリーダー:欧陽玉
ここは私の妄想が外れて却って良かった部分です。玉さんは年齢不詳だったのでなかなか掴めなかったのですが、覆面官吏は変装も必要……ということなら、玉と楊修のコンビは納得です。それにしても髪を切るのもうまいとは……。清雅も含め、彩雲国の男たちには髪結いの才能がある人が意外に多いんでしょうか。
さて、玉さんの進退もそろそろ描かれ始めましたね。ここでのポイントは碧家のこと。歌梨さんについては後述しますが、彼はもう選んでいるみたいですね。次の巻で紅家のみならず碧家についても描かれそうですよね。
・碧仙と逢うのか?どうなるの?:碧歌梨
歌梨さんはリオウの回想のみの登場で、セリフだけでしたが、かなり意味深なことを言っていましたね。まさか、藍州で邵可が割ったご神体の鏡がここでつながるとは驚きでした。作者様はこういう要素を巧みにつなぐのがお上手ですね!でも、旦那さんと万里くんを置いて、命を賭して鏡制作にあたるとのことで、彼女の行く末が限りなく心配です。まさか作者様がここまで厳しい扱いをするとは思っていませんでしたので、少々意外でした。ただ、この早い段階で死にフラグをあえて出している以上、歌梨はそんなに簡単に死なないのではないかという気もしています。
ただ、私が思うに、この歌梨の動きはファンタジー部分と密接に関連しているわけですよね。彩七家・王家・縹家にそれぞれ課せられた古の約束は、いつまでも続くとは思えません。むしろそれぞれの家からその種の約束は解消されるのではないかと思っています。わかりやすく言えば、約束というよりはもう束縛(呪い?)に近いので、それらから解放される時が近づいているのではないかと思っています。
そして、碧仙のことが初めて言及されましたね!私個人は碧仙の正体は悠舜じゃないかと思っていましたので、ここは当てが外れるかしら?でもまだわからないので保留にしておきたいなと。いずれにせよ、そのうちもっと詳しく論じてみたい部分ですので、今はこの辺りで止めておきます。
・実は……あの人と同じ?:凌晏樹
相変わらず意味深な言葉を残していく晏樹。この前は黎深に、この巻では劉輝に悠舜の過去についての問いを投げかけていました。そして、皇毅に対して明確なる嫉妬の言葉をぶつけて。彼の真意は一体どこにあるんでしょう。そして、みんな誰も言いませんが、やはり晏樹の過去も気にすべきポイントですよね。おそらく悠舜の過去とリンクしているような気がするんですが、さてさて?
面白いことを一つ。なんと、晏樹と水戸黄門は同じ官位なのでした!もともと漢代以降、門下省の次官は、劉輝が言うように「黄門侍郎」と呼ばれていたのですよ。ちなみに日本では「中納言」にあたり、黄門さまはこの官位を持っておられたので水戸黄門と呼ばれるようになったんだそうです。気になる方はググってみてくださいね。
・やっぱり面白い長官:葵皇毅
皇毅と秀麗のやり取りはいつもながらに笑わせてくれます。なんだかんだ言いながらも結構秀麗を育てたり、微妙に罠を仕掛けてクビ寸前に追い込んだり、なんだかよくわかりません。でもドSでありながら、自分が慕っている旺季にはツンデレな皇毅……微妙に可愛かったりします。ただ、いよいよ秀麗は皇毅たち貴族派の捕縛を狙い始めてきましたから、敵になるのでしょうか。ちょっと心配です。そして、彼の過去と旺季との関係も大いに気になります。
・大丈夫ですか?無理しないで!:羽羽さま
うーさまのお身体が心配です。術者は命を削って奇跡の力を使ってたんですね。そして彼は瑠花のいい面も欠点も全部理解していて、現状の縹家の様子に苦悩しています。あと少しでいいから頑張って劉輝たちを支えてほしいものですね。
・年上組じゃないけど、よく頑張った!:縹リオウ
今回はリオウが結構活躍!でした。リオウ文鳥の厳しい口調がたまりません。なぜかツンデレの匂いを感じるんですよね。それでも羽羽さまに気遣う彼は本当はとても優しいんだろうというのがよくわかります。
さて、リオウもまた次世代の縹家を担うものとしての自覚を迫られています。彼はどういう立場をとるのでしょうか。
・悔し涙を流すお姿も麗しかった!:黄鳳珠
鳳珠もついに立場を決めましたね。彼は家を捨て、朝廷に残り、悠舜を助ける道を選びました。そういう意味では私の妄想もあながち外れておらず。ただ、彼の望みが一番純粋で、それがもう叶わないかもしれないというのがとても切なかったです。
鳳珠は、悠舜が茶州に飛ばされた際に黎深と交わした約束(「悠舜が茶州から帰ってきたときにいられる場所があるようにちゃんと出世しよう、そして、花の下でみんな欠けることなく、碁を打ち、杯を交わそう」)をちゃんと覚えていて、それがやっと叶いそうな時になってこんな状態になったことを本当に悲しんでいます。こちらもとても切なくなりました。あと、後でも書きますが、もう一点鳳珠が不憫なのは、言うまでもなく黎深と百合のイチャイチャぶり。あれは鳳珠に見せられませんね。
今回、本編イラストで初めて御尊顔の一部を拝する光栄に恵まれましたが、やはり美しいですね。早く全体像を拝見したいです。
長くなったので(その3)はここまで。(その4)で黎深・百合・悠舜についての感想を。ただ、今夜は疲れたのでここまでです。続きはしばしのお待ちを。
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彩雲国物語 『黎明に琥珀はきらめく』 感想 (その2)
- 2008/05/01(木) 00:11:07
彩雲国物語 第16巻 『黎明に琥珀はきらめく』 (朝廷・御史台および紅家編)の感想(その2)です。ここでは基本的な物語の感想を人物ごとに。まずは若者組から。
・成長した監察御史:紅秀麗
今回の秀麗の任務は前回と違ってかなり説得力がありましたね。政治家と官僚の違いをしっかり見出すことができるほどに。皇毅に仕事で認めてもらいたい!という面も見られるようになって、ずいぶん成長したなと思います。そして、以前と違うのは、私情に流されすぎないようになってきているということでしょうか。燕青のやさしいけれど、甘くはないサポートも生きています。今回一番仕事していたのは秀麗でしたね。
清雅との(微妙な)場面は、果たして本当に必要なんだろうかという気がしますが、今の作者様のお気に入りキャラなんですかね。ただ、清雅も思ったより体力なさげなので、無理しすぎないとよいのですが。(しまった、心配なんぞしてしまいました)
さて、ついに秀麗が知ってしまいましたよ。黎深が叔父で仕事をしない吏部尚書であり、自分の師である絳攸が黎深の養い子で自分の義理の従兄だという事実を。思ったよりは冷静に対処していましたね。やはりそのあたりも成長のあかしなのでしょう。それにしても、隠れとおした黎深に嫌われているのではないかと心配する秀麗が面白かったです。どちらかというと会いたくても隠れざるを得なかった黎深のほうが哀れかも。次巻以降で対面できるとよいですね!対面場面がどんな風になるのか、非常に楽しみです。
『藍青』で言われていた秀麗の身体の秘密はやはり「子供が産めない」でした。予想通りではありましたが、劉輝が「嫁は一人!」宣言をしたのが結構きた感じです。やばいですねえ。前に妄想で果たして恋愛は描かれるの……?ということを書きましたが、変な意味で当たってしまいましたね。つまり、絳攸話と政事に忙殺されてて恋愛どころじゃないという。結局のところ、二人は結婚以外の選択肢を選ぶのではないかという気がしていますが、それもまた悲しいかも。。。もうここに関しては作者様にお任せでいこうかしら?と改めて思っています。
・王としての成長と苦悩:紫劉輝
相変わらず劉輝は甘いところが多いですねえ。かなり悠舜に現実的な厳しいことを言われるようになってきてますし。で、この部分を読んでいてわかったことですが、劉輝と悠舜の主従関係は秀麗と燕青の主従関係と非常によく似ているということです。つまり、燕青は「官吏としての」秀麗には付いていくが、ただの紅秀麗にはついていかないと明言していましたよね。で、悠舜も同じなんだろうということです。彩雲国国王である紫劉輝陛下には命をかけても仕えるが、ただの紫劉輝にはついていかない、というスタンスをとってるんだろうと。燕青が悠舜の指導よろしきを得て無事10年も混乱の茶州を収めることができたのには、まさに公私混同をしない!情に流されない!という部分があったからこそなのでしょう。そして、これからの劉輝に必要なのはまさにその部分なわけですよね。リオウも同じことを言っていましたよね。嫌いなものを取りこぼしてはならない、できるだけ王の掌の上に載せることが必要なのだと。秀麗が既にその段階にきているのですから、劉輝もぜひ頑張ってもらいたいものです。そして、その先に見えるのが自らの王としての視点であるはずですから。
そして、晏樹に言われて悠舜に対して不信感を抱き始めた劉輝。今までお気に入りの臣下たちを信頼しすぎなのでは?という懸念があったので、その意味ではこれも王としての成長のために必要な過程なのではないかと私は受け止めています。
歴史上の事例によく見られるように、、子供のころに即位した天子は、しばらくは摂政がついて政治を担当してもらいますが、大人になると自らの判断で動くようになりますよね。あれと同じ動きになっていると思いました。つまり、悠舜に任せきりだったのが、徐々に自分でもっと考えて行動していけるようになるというか。ですから、これも一種の親離れの過程になっている気がします。最終的に王らしくうまく臣下を用いて情報を取捨選択して使いこなせるようになれればと思うんですけれどね。(悠舜の思惑(?)については別項で長々と書く予定です)
もうしばらくは苦悩の日々ですよね。自分の側近がそろって官位降格になり、そばに近寄りにくくなってしまったことで、いろんな人と向き合う必要が出てきましたから。ここが正念場ですね。
恋愛面では、やはり十三姫でいいんじゃないの?という気がひしひしとしています。何せ劉輝の一番恥ずかしい部分を全部把握しつつもちゃんと理解してくれてますからねえ。
・再就職先は世知辛い職場:藍楸瑛
ちゃんと再就職先を孫尚書からもぎ取った楸瑛。陵王とのやり取りが絶妙に面白かったです。大人のおじさまにいいようにおちょくられている楸瑛はまだまだ若造ですね。それはともかく、楸瑛は国王としてのみならず人間としての紫劉輝も慕っていますから、孫陵王が言っていたように、王と「一緒に死ねる」存在になりました。そこはとても良いのですが、何せ彼の再就職先が……静蘭の配下(しかも下っ端)とは!!です。何とも哀れですよねえ。なんという運命のいたずらでしょうか。ただ、楸瑛は元々清苑公子に仕えたいと思っていたわけですし、せいぜい呼び捨てされてこき使われるといいと思います。そんな修行したことなかったでしょうしね、楸瑛は。ちょっともまれた方が珠翠の受けも良くなるかも……!?楸瑛ファンの人はおそらく粋で雅な彼がいいんでしょうが、私はこうしたへたれな部分が出た方が年相応でいいと思います。
・ブラック属性も板につきました:静蘭
今回の静蘭は楸瑛をひたすらこき使うギャグ要員であり、かつ、王家・縹家・彩七家の秘密の一端を知っている貴重な存在として描かれてます。タンタン君がいなくなったからもう楽しくないかも……?と思われましたが、全く問題なしです!これからも大いにブラックでいてほしいものです。
専従護衛官として、宰相・悠舜に対する疑念を抱き始めています。なぜ普通の人が知らない情報を悠舜が知っているのか?と。次巻以降で、静蘭が悠舜に対してどのような態度をとるのかも気になります。そして、静蘭は秀麗の秘密をも知ってしまいますが、これ幸いとばかりに結婚申し込まないんでしょうかね。
・やっぱり頼りになるのはこの人!:浪燕青
燕青のお役立ちぶりは特筆に値しますね。どんな職場でもうまく溶け込めるというか。皇毅が認めるわけです。私もそう思いました。前巻では「燕青、お前もか!」という部分がありましたが、そのあたりは鳴りを潜めつつ、しっかりお仕事こなしていましたよね。そして、茶州就任時の様子がちらりと見えました。燕青の所信表明、適当すぎだよ……。悠舜&茶州官のみなさんはさぞ魂を飛ばしたことなのでしょう。もっと詳しく知りたいですねえ。まあこれはおそらく悠舜編(間違いなく次巻以降に来るはず)で描かれることでしょうから楽しみにしています。あと、「かくれんぼにぎり」は、いろんな要素(具)が中に入っていて、とても器の大きい燕青らしい料理だなーと思いました。一度作ってみるのもいいかも。
・すでに劉輝の奥さんみたい!:十三姫
すっかり後宮を掌握した十三姫。侍官(男)に牽制されてる事実をあっさり言ってくれたり、なかなか楽しそうに暮らしている様子でホッとしました。もう吹っ切れたからなのでしょうね。劉輝に対するサポートもかなりのものですし、もうこのまま夫婦になっても問題ないと思いますよ。結婚生活では、ラブラブである必要などないですから。どちらかというと友愛の方が長続きするんじゃないかなーと私は思っています。
・なんだかひ弱?過労死寸前の野心家:陸清雅
今回の清雅は相変わらずのセクハラっぷりを見せていましたが、過労で熱を出しているところが意外に人間らしかったと言うか。それにしても毎度毎度手回しが早いですよね。そろそろ彼は出世するんでしょうか。気になるところです。
これはこれで長くなりました。(その3)では年上組について書いてみます。
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彩雲国物語 『黎明に琥珀はきらめく』 感想 (その1)
- 2008/05/01(木) 00:10:32
彩雲国物語 第16巻 『黎明に琥珀はきらめく』 (朝廷・御史台および紅家編)の感想(その1)です。投獄された絳攸と彼を助けようと奮闘する秀麗の姿が見られます。
*公式発売日になりましたのでネタバレ感想解禁!します。今回はこれまでの考察・妄想の答え合わせ&次巻への考察・妄想が大幅に入ってますので、その辺ご了承ください。
![]() | 彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく (角川ビーンズ文庫 46-16) (2008/04/24) 雪乃 紗衣 商品詳細を見る |
今回は文鳥が大活躍でした!ただ、タイトルの「黎明」はともかく、「琥珀」の意味は結局作者様から何も言われませんでしたね。(あとがき読んでも書かれておらず)またいずれ作者様から何らかのコメントがあるかもしれませんので待つことにいたしましょう。
語るべき&語りたい点が多く、大変長い感想となりそうですので分割します。(その1)では、今回の主役、李絳攸から。
・人生の迷い子、ついに自立!:李絳攸
今回の絳攸話は一回で終わってその辺はよかったと思います。楸瑛のときが結構巻を重ねたのとは違い、すっきりしていましたね。ただ、このあたりが楸瑛と絳攸の武官と文官の違いというか、性質の違いというべきか、この巻では絳攸の心の旅路に焦点を当てていたのでダイナミックな動きとは若干縁遠かったですが、かなり感動させられたのも事実です。(不覚にもラストの過去話は泣けました)
絳攸自身の欠点、つまり親離れできない&公私混同&王をとるのか黎深をとるのかという二者択一を決められない……などが一気に出てきて、結局心身ともに疲弊しているところを見事に清雅と楊修に狙われ、吏部侍郎の座を追われてしまった……というくだりは、もう少し前の巻から楸瑛並に紙幅を割いても良かったかもしれません。特に絳攸と楊修の関係に関して。後付けなのでしょうから仕方ありませんが、少々唐突だった気もしました。
そして、投獄され、様子を見にきた劉輝の目を見た途端、縹家の暗示が発動して精神を壊されかけ、夢の中でも迷子になってしまった絳攸。絳攸らしいですよね。ただ、彼はせっかく友人や家族や弟子がいるにもかかわらず、自らの殻の中に入ってしまって、なんだかもどかしかったです。ただ、絳攸にとっては必要な過程だったのでしょう。それでも、楸瑛と違って、花菖蒲が彫られた佩玉をずっと握りしめたままだというところ、佩玉が絳攸の精神への入り口として使われるあたり、なかなか小道具としては効果があってよかったです。
後でも触れますが文鳥がいなければ復活できなかったかもと思うと、本当に絳攸は愛されているなあと思います。家の思惑にとらわれている楸瑛と違って、絳攸は人との関わりがあってこそ迷ったり、逆に迷いから目が覚めることもあるという点はとてもリアルだと思います。ただし、ずっと官吏としてはエリートコースだったにもかかわらず、なかなか大人になりきれていなかった点に関しては、あの黎深のお守をしなければならなかったことを差し引いてもちょっと遅いかな。(このあたりは楊修の思いと近いですね。彼についてはまた別項で)
さて、黎深との親子関係は、あまりに黎深が不器用すぎて、なかなか黎深の思惑が見えず、真面目すぎる絳攸(および読者)はそれでまた迷う……と。ただ、うまく謎ときと結びついていて面白かったですけれど。
それにしても自分の権限以上の仕事をしたり、人事権の濫用ともとれる行動を変だと思ってないっていう部分そのものが、有能だとされている絳攸にしてはかなり迂闊ですよね。若さゆえの突っ走りといえば聞こえはまだましなのかもしれませんが、それにしても……というところですか。
*これを言ってしまうとどうしようもないですが、作者様の最初の設定不備のツケをキャラクターが払っている部分が多々あって、うまく成長に結びつけるのに苦心したのかな?と思わせられた部分です。確かに自然に持っていくのは難しいのかもしれませんけれども。
意外だったのは、絳攸までも縹家の暗示に引っ掛かってしまうという部分。縹家も容赦ないですね。秀麗を手に入れるため(?)かどうかは知りませんが、何のために?という気がして。おそらくはまた次の巻のための伏線ですよね。
絳攸・百合・黎深の親子関係はかなり健全だったんですね。ただ、百合も黎深も絳攸に対して何も望まなかったことがかえって仇になってしまったというのは何とも不器用です。確かに百合も黎深も家族愛に乏しい過去を持ってますからね。それでも百合さんはいい人でしたし、黎深も結構な親バカぶりでした!この辺もまた別項で。
名付けのくだりがかなり笑えました。百合さんのネーミングセンスはひどいですねえ。「倶利伽羅」絳攸はいくらなんでもなしでしょうと。
絳攸が目覚めた後、一番に探したのが秀麗……という部分。おお、ついに李姫か!?と一瞬期待してしまいましたよ。確かに台詞は思いっきり李姫でしたが、その意図はなんとも清らかな師弟愛……。ああ、ここも恋愛フラグは立たずですか。なんだかはたで見ている楸瑛ともども不憫な気持ちになったのはなぜでしょう。
自ら養い親である黎深との親離れを吏部尚書弾劾という形で行った部分は、見事な展開だったなと思います。非常に流れも自然で納得できて、作者様の筆の冴えを感じた部分でした。
ラストの短編「光の記憶」は本当に良かったです。私はベタな展開に弱いので、こうこられるともう駄目ですね。最後で文鳥になってしまった最初の両親たちの思いが本当に伝わってきました。そして、絳攸の元の名前は「コウ=光」だったんですね。素敵な名前だと思います。*コウの漢字、一瞬アニメの静蘭役の声優さん緑川光さんから取ったのか?と思ったのは私だけではないかも。。。
いずれにせよ、『白百合』ともお話がつながっていて思ったことですが、あらためて絳攸の人柄の良さを感じました。これを読んで、もしかして悠舜の次の宰相は絳攸なのかな?という気がひしひしとしてきました。彼に治めてもらえればきっと彩雲国はいい国になると思いますよ!(できれば悠舜と一緒に合議制の宰相という形が一番うれしいんですが。もしくは、今空位の宰相扱いの中書令でもいい!)
もちろん、一からの出直しになりますが、今度こそ彼なら見事に成長していけると思います。その前に、方向音痴は直しておいてほしいですけれど、そのあたりはどうなるんでしょうかね。
私は悠舜に続いて絳攸も大好きなので改めて惚れ直しました!ってことで、ここはこれまでにします。
(その2)では秀麗他若者組に関する感想を書きたいと思います。
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